特定口座と一般口座の違い

証券会社に口座を開設する場合、口座開設手続き中に「特定口座（源泉徴収あり）」「特定口座（源泉徴収無し）」「一般口座」の三つの中から口座のタイプを選んでくださいと聞かれます。この点についてそれぞれの違いやメリット、デメリットが分からないという質問が多く寄せられますのでここでは特定口座と一般口座の違いを分かりやすく解説していきます。

証券会社における口座の種類

証券会社における口座は大きく「（源泉徴収あり）」「特定口座（源泉徴収無し）」「」の三つに分けられます。これはどういう意味の違いがあるのかというと、株式の売買によって得られた利益や損失の税金の取り扱いが異なります。

大雑把に説明すると

特定口座
売買の損益について証券会社が計算してくれます。

一般口座
売買の損益の計算を自分で行う必要があります。

以上の違いがあります。一般口座の場合は売買取引の履歴を自分で管理して、その書類を元に、税務署で確定申告をする必要があります。対して、特定口座の場合は証券会社側が損益を計算してくれるので、わざわざ手間がかかりません。

そのため、証券会社に口座を開設する場合は「特定口座」を選ぶようにしましょう。

 

特定口座の源泉徴収の有無による違い

また、特定口座といっても源泉徴収ありと源泉徴収なしにはどんな違いがあるのでしょうか？いくつかのパターンからそれぞれを比較していきます。
この場合、どちらが100%有利ということはありませんので、あなたの投資タイプや環境に応じて適切なものを選んでください。

なお、源泉徴収のあり、なしについては、1課税年度（1月1日～12月31日）までの間において、初回の取引をする前でしたら変更可能です。ただし、1回でも取引をした場合は翌年以後にならないと変更ができませんので注意が必要です。

源泉徴収ありを選択するメリット

・確定申告は原則不要
・主婦（主夫）の場合は、所得としてカウントされないため扶養者の扶養控除、年金などに影響を与えない。

源泉徴収ありを選択するデメリット

・利益が出た時点で源泉徴収されるため資金効率が低下する。（例えば、利益が100万円でた場合、20万円が源泉徴収されるため、源泉徴収なしの場合と比較して20万円分の資金が使えなくなる）
・1年を通して損失が発生した場合、そのままだと繰越控除が使えないため、確定申告をする必要がある。
・株による所得が本来申告不要（非課税）な額であっても源泉徴収される。

 

源泉徴収なしを選択するメリット

・サラリーマンの場合20万円以下の株所得の場合確定申告不要。
・無職・主婦の場合は基礎控除額（33万円）以内の所得であれば非課税です。
・税金の支払いタイミングが源泉徴収ありの場合よりも遅い

源泉徴収なしを選択するデメリット

・主婦(主夫)が一定額以上の株で利益を上げた場合、配偶者の扶養から外れる他、年金や健康保険料の支払い義務が生じることがある。

 

なお、「申告不用」と「非課税」は異なります。申告不要はあくまでも申告をする必要がないだけでもし医療費控除など別の理由で確定申告をする場合は、株の利益も申告する必要があります。

※09年11月時点の税制において書かれています。特に税金についてのアドバイスはしておりません。また、税制が変更されている場合、解釈に誤りがある場合について、当サイトは一切関知いたしません。不明な点は税理士などの専門家にお尋ねください。

「特定口座と一般口座の違い」の用語解説・関連サイト

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

・特定口座とは
株取引における税金計算を証券会社が代行してくれる口座。

・源泉分離課税
利益が生じた場合金融機関などの取引相手が予め税金分を控除してくれ、所得を得たものが別途確定申告を行う必要がないこと。

・証券会社の特定口座と一般口座　（株式市場と証券会社の役割）
証券会社における特定口座と一般口座の選び方を解説。