価格変動リスクは、その名前の通り、投資対象の価格が変動するリスクを指しますが、一般的な認識としては投資した金額よりも金額が下がってしまうことを価格変動リスクと呼ぶ場合が多いようです。
例えば、銀行預金については元本を銀行が保証していますので、価格変動リスクはありません。一方、債券の場合、満期まで保有していれば元本は発行元が保証していますが、期間中は市場金利が変動することにより若干、債券価格が上下します。この場合価格変動リスクがあると言うことになります。
また、株式の場合、投資をした株が大きく値上がりすることがあれば値下がりすることもあります。外国為替取引の場合も同様です(外貨の場合は為替リスクと呼ばれることもあります)。
さらに、株式投資や為替の場合は、信用取引やFXなどを活用することで「レバレッジ」を掛けることができます。仮にレバレッジが2倍の場合は価格変動リスクは2倍になります。
このように、金融商品により価格変動リスクは様々でさらに、取引方法によってはそのリスクをさらに大きくすることができます。一方で、価格変動リスクとは利益を得ることができる可能性という側面当然もっています。 例えば株式の場合10%値を下げるリスクがあるということは逆に10%値を上げる可能性もあると言うわけです。
世の中の投資においてリスクとリターンは表裏一体であることをあらわすリスクです。
つまり、価格変動リスクがない銀行預金については、リターンも0です。対して価格変動リスクが大きい株式などの場合はその分リターンも大きくなります。
「価格変動リスクが小さい=価格変動による利益が小さい」「価格変動リスクが大きい=価格変動による利益が大きい」とうことになります。
ちなみに、価格変動リスクの大きさについては、過去の価格変動のボラティリティ(値動き)の標準偏差で求めることができます。つまり、価格のばらつきの程度から想定できるわけです。
なお、株式や為替などで使われる「ヒストリカルボラティリティ」とはこうしたばらつきを計算するテクニカル指標です。過去の変動幅を統計上示したものです。
ちなみに、各金融商品のヒストリカルボラティリティを見てみると、統計期間によってかわってはきますが、概ね以下の通りです。
預金:0%(当然ですね)
債券:約1.5%(日本国債(10年債))
外貨:約13%(ドル円相場の場合)
株式:約20%(日本株の場合)
ボラティリティが大きいほど価格変動リスクが大きいということになります。上記の値の計測期間は同一ではないため、数字にはぶれがあるかと思いますが、概ねのリスクとして捉えてください。
逆を考えると、それだけ「上昇すること」もあるわけです。そのため、価格変動リスクが大きいということは、危険な投資でやるべきではない。というわけではありません。
値動きが大きいので、そのリスクを適切に管理していく必要があるということになるわけです。
ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。
・価格変動リスクとは
投資商品の価格が変動することによるリスク。
・標準偏差とは
対象のバラツキの大きさを示す指標。言い換えるとリスク。
・ヒストリカルボラティリティ (株式テクニカル指標)
過去の一定期間における価格変動の大きさをあらわした投資指標。