金利リスクとは、将来の金利変動によるリスクのことを指します。金利リスクが大きい商品とは、貸し手の場合固定金利による投資で、借り手の場合は変動金利による融資などが挙げられます。
例えば、表面金利が3%の国債があったとします。しかし、景気回復により国の景気が良くなり市場金利が上昇したとします。そして、全く同じ条件の国債が表面金利6%で発行されるようになりました。この場合、当然表面金利3%の商品は魅力がその分落ちることになります。そして、表面金利が3%のあなたが持っている債券の価格は下落することになります。
しかしながら、逆に景気悪化により市場金利が下落して同じ条件の国債が表面金利1%で発効されるようになった場合、表面金利3%の国債はそれだけ魅力がアップしますので、債券価格は上昇することになります。
(参考サイト:債券価格と金利の関係)
もう一つの例としてかかわりが深いのが、融資を受けた場合の住宅ローンなどです。住宅ローンはおおきく「固定金利」「変動金利」で運用されていますが、この場合「変動金利」を選択している場合、金利リスクが大きいといえます。
例えば、住宅ローン3000万円で融資を受けていた場合、ざっくり、年の金利が2%の場合、支払う利息は60万円です。固定金利を選択してればその後何があっても金利に変動はありませんが、変動金利を選択した場合は別です。市場金利が例えば5%に上昇した場合、住宅ローンの金利も同じように変動します。仮に5%なら、支払う利息は150万円となりかなり高額となります。
逆に金利が1%にまで下がれば、支払う利息は30万円に減少します。
(参考サイト:住宅ローンの金利の種類)
金利変動リスクは、借り手・貸し手ともにリスクを負っています。
それに対応するためには「貸し手は変動金利による融資を行うこと」。逆に「借り手は固定金利による融資を受けること」でカバーすることが可能です。
(ただし、その場合でも実質的なお金の価値変動であるインフレリスクについては別途存在しますのでご注意ください。)
ただし、このように貸して有利、あるいは借り手有利になるようなケースでは当然、相手側はリスクを負うだけの負担を求めてきます。
たとえば、住宅ローンでお金を借りる場合、固定金利のローン金利の方が変動金利のローン金利よりも高いのはその分のプレミアムを銀行側から求められていることになります。
金利変動リスクの大きさは「元本が大きいほど」「期間が長くなるほど」大きくなります。
特に、お金を借りているようなケースでは金利が上昇するとその金利は「複利」で殖えていくことになるので、借金は雪だるま式で増加してしまいます。
複利については「資産運用と複利効果」をご参照ください。
もしも、超長期でのローンを組むつもりなら、よほどの余裕がない限りは金利変動リスクを負わない固定金利をおすすめします。
一方、お金を貸すケース(債券投資)の場合、金利が上昇して債券価格が下落したとしても満期まで保有すれば元本は100%で返ってくるわけですから、リスクの程度としてはさほど大きくないといえるでしょう。