為替リスクとは

外国為替レートが変動することによる差益や差損をこうむるリスクです。広義には価格変動リスクの一部です。価格変動リスクと同様にリスクである一方差益を得られるリターンにもかわる表裏一体のリスクです。

為替リスクと投資

為替リスクとは、「価格変動リスク」の項目でも解説している通り、外国為替取引における為替レート変動による価格変動リスクのことです。

為替レート変動のしくみ」でも説明している通り、外国為替レートはそれぞれの取引される通貨間での相対的な取引価格となっており、日々変動しています。こうした為替レート(価格)変動を総じて為替リスクと呼んでいます。

当然ですが、日本円で取引されている投資商品には為替リスクはありません。外貨建てで取引されている投資商品にこのリスクが存在します。

為替リスクがある商品

・外国通貨(為替リスク)
・外貨建て債券(為替リスク+債券のリスク)
・外貨建て株式(為替リスク+株式のリスク)
・外貨建て投資信託(為替リスク+投資対象のリスク)

為替リスクが「リスク」でなくなるとき

為替リスクは大きなリスクという方もいますが、為替リスクをリスク0にすることも可能です。それは、外貨のまま持ち続けることを前提とする場合です。

例えば、アメリカのドルを考えた場合、米ドルをアメリカに旅行にいった場合のお買い物資金などとして貯めている場合、円に戻さずにそのまま外貨として利用することになるので、為替リスクはありません。

また、為替リスクは言い換えれば「日本」という国に対するリスク(信用リスク)へのヘッジとなるリスクです。仮になんらかの事情により日本という国が破綻(またはそれに近い状態)になった場合、日本でしか通用しない「円」という通貨の価値は限りなくゼロに近づくでしょう。そうした際にいくら日本円で1億円持っているといっても世界的な価値はゼロになってしまいます。こうした時、外国通貨を保有しておけばそれはこれは円に対するリスクヘッジとなります。

まあ、上の意見は資産運用として為替を考えない場合です。このサイトをご覧の方の多くは「投資」対象として外国為替を見ているかと思いますので別の意見も。

為替リスクを減らす方法としてはヘッジ取引を活用する方法です。例えば、アメリカの株式(外国株)を買った場合に、為替のリスクを減らしたい場合はFXなどを使ってアメリカドルのショートポジション(空売り)をするのです。

仮に、1万ドル分の株を買って、1万ドル分ドルを空売りしておけば、為替リスクは実質0になって、のこるのは株式のリスクだけとなります。

また、投資信託の場合は「為替ヘッジあり」となっているものを選択した場合には仮に外国の債券や株式で運用されている商品でも為替リスクが出ないようになっています。

ただし、リスクをヘッジしてしまうということは、その商品からのリターンも放棄することになります。例えば、金利の高いオーストラリアドルで外貨預金をするけど、為替リスクはゼロにしたいといったことはできません。
この場合は、おそらく円とオーストラリアドルの金利差による収益分と同じくらい、為替リスクのヘッジの為にコストがかかってしまいます。

「為替リスクとは」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

為替リスクとは
外貨ベースでの為替レート変動によるリスクのこと

リスクヘッジとは
リスクをヘッジ(回避)するための取引や行動のこと。

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