間接金融は主に、銀行というシステムを通じて、資金の出し手と受け手を結びつける金融のあり方です。主な商品は「預金」と「融資」です。まずは、銀行を通じた間接金融システムの流れを見ていきましょう。
預金者は自分の預金のうち余った分を銀行に預金として預けておきます。銀行はこの預けられている預金を、資金ニーズがある企業や個人に対して貸し出します。そして、預金者には利息と元本を支払い、貸し手(債務者)からは元金の支払いと利息を受け取ります。
直接金融との違いは、運用によるリスクを投資家がそのまま持つかそのリスクを銀行が受けるかによります。例えば、債券投資の場合、投資家が投資した会社がデフォルト(債務不履行)を起こした場合、そのリスクは全て投資家が受けることになります。
対して、銀行預金の場合、銀行がお金を融資した会社が倒産して資金が返せなくなった場合も、その負担は銀行が行い、預金者の預金が目減りすることはありません。(銀行自身が破綻しない限りは)
その一方、銀行という仲介者が中に入ることから、当然中間マージン(手数料)がとられることになります。そのため、投資家の取り分(リターン)が減少することになります。
日本の場合は、戦後復興の時期において間接金融を通じて国策企業に対しての手中投資により高度経済成長を成し遂げました。
しかし、1990年代のバブル崩壊以後は、株式の持合(企業同士がそれぞれの株を持ち合い安定株主となること)が崩れたため、それに応じて直接金融の役割も拡大してきています。
間接金融におけるメリットやデメリットには下記のような点が挙げられます。
間接金融のメリット
・安全性が高い、投資リスクはすべて銀行が負担してくれる。元本保証。
間接金融のデメリット
・運用による収益性が低い。定期預金などもあるがリターンはあまり見込めない。