金利とは、お金を一定期間貸し借りする際の値段です。
例えば、100万円を1年間借りるとして、そのときに2%の金利を約束した場合には、1年間に2万円というのが、100万円を借りる値段であるといえます。
2%の金利よりも3%の金利の方が「金利が高い」と表現されます。
金利を受け取るのであれば、金利は高い方が有利です。一方で金利を支払うのであれば金利は低い方が有利になりますね。
この金利というのは、お金を運用するとき、借りる時など、私たちの生活や貯蓄、投資活動において密接に関係してきています。
たとえば、銀行預金をするときの定期預金の利率(金利)、株式投資をするときの配当利回り、住宅ローンやカードローンなどでお金を借りる時に支払う利息(利子)など様々です。
ちなみに、金利を説明するときは似たような言葉が多いです。たとえば、年利、利子、利息 、利率といったように同じような言葉がたくさんあります。
それぞれの違いは何なのでしょうか?
まず、金利というのが「お金を貸し借りする時に支払う値段」という大きな概念となります。そしてその値段の「率」をしめすものが「年利」「利率」といったものです。5%というように「金利の水準」を指す言葉となります。
年利・・・1年あたりの金利の比率
利率・・・一定期間における金利の比率(通常は1年を指す)
どちらもほぼ同じ意味ですね。一方で利子や利息というのは、実際に支払う「金額」を指す言葉となります。100万円を5%で借りた時の利子・利息は「5万円」ということになります。この5万円が利子、利息です。
利子・・・支払う金利の金額(貸す側が使う)
利息・・・支払う金利の金額(借りる側が使う)
じゃあ、その金利っていうものはどうやって決まるものなのでしょうか?条件としては様々で、利息制限法等の法律に反しない限りはそれぞれの取り決めで決めることができます。
ただし、一般的には下記のような情報が金利決定の要件となります。
また、金利と一口にいっても様々な種類があります。以下は金利の種類とそれぞれの特徴を示したものです。
・固定金利と変動金利
固定金利は定めた期間の間金利が固定(変わらないタイプ)の金利です。通常の定期預金や債券のクーポン(利息分)などはこの固定金利に該当します。金利が変動しないので安定していますが、市場が変わって市場金利が自分の有利(不利)になっても、金利水準が変わらないという特徴があります。
ただ、金融機関側からすると金利を固定するということは将来の金利変動による「リスク」が生じることになりますので変動金利と比べてリスクプレミアムが発生することがあります。これが分かりやすいのが住宅ローンです。最近は変動金利ローンが人気のようですが、固定金利の住宅ローンの方が金利が高いため敬遠されています。
一方の変動金利は、金利がある一定の条件により変動し続けるタイプの金利です。通常は政策金利や10年金利(プライムレート)などを参考にそれぞれの基準が変動するのに合わせて金利が変動します。通常は変動型の住宅ローンや普通預金金利などがこの変動金利の対象となっています。
・名目金利と実質金利
通常、私たちが見る金利というのは「名目金利」と呼ばれる表面上の金利です。たとえば、定期預金金利が年1%と表示されている場合、この1%は名目上の金利です。
対する実質金利というのは、こうした金利から「インフレ率」を考慮したものです。インフレによって貨幣価値が下落する場合、それも考慮する必要があります。
たとえば、100万円の定期預金の名目金利が1%でインフレ率が1%という場合を考えます。この100万円は翌年には101万円になっていますが、インフレによって、これまで100万円で購入できたものは101万円に値上がりしているので、実質上の金利(実質金利)はプラスマイナスゼロになります。
ですから、デフレ化のような場合には、仮に金利がつかなくても貨幣価値の上昇により実質金利はプラスになるというケースもあります。
通常投資・金融の世界において「金利」という場合は大きく「短期金利」と「長期金利」という二つの金利が存在しています。
・短期金利
通常は1年以内の借入・運用に関する金利のことを指します。狭義には無担保コール翌日物金利という日銀(中央銀行)が目標設定する金利のことを指します。金融当局による金融政策はこの短期金利を目標に行われます。日本の場合、「無担保コール翌日物金利」を政策金利(目標金利)としています。
・長期金利
通常は1年を越える借入・運用に関する金利のことを指します。狭義には10年ものの国債の市場金利のことを指します。市場金利でありその国の景気のバロメーターともされています。住宅ローン金利や長期の貸付金利などはこうした長期金利を元に決められることが多くなっています。