老後費用というものは大きいものです。公的年季制度などはあるものの、多くの世帯において支出が収入を上回る状況となっています。そのため、老後においては一定以上の貯蓄を蓄えておかなければ困窮する事態となるわけです。収入があるうちからのリタイアメントプランを考えておくことがとても大切です。
ここでは、老後資金の必要額や公的年金制度の現状と今後などについてわかりやすくまとめていきます。
総務省が平成21年に実施した家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の実収入(可処分所得)は19.3万円(約9割が年金)であると報告されています。また、これら世帯の実際の支出(消費支出)は23.5万円となっており、4.2万円の赤字となっています。
老後が仮に20年とするならば1008万円ほどの貯蓄が必要な計算となります。長寿化も進んでいるのでもっと長生きすると考えるのであればさらにお金が必要です。
25年:1260万円
30年:1512万円
35年:1764万円
となります。
また、夫婦二人の老後費用としてゆとりある老後生活費として月額37万円程度がほしいといわれていることから、ゆとりある老後を送るためにはもっと多くの蓄えが必要になる計算となります。
まずは老後資金のベースとなる一つが「公的年金」です。
年金として受け取れる金額は加入している年金や現役時代の掛け金によっても変わってきます。
「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などによって現在までの加入状況などを確認してどのくらいの年金が見込めるのか?ということを確認しましょう。
なお、2014年に厚生労働省が実施した報告によると、今後30年程度の経済動向を予測した上で、平均的な予想(一部ではこれでも楽観的過ぎると言われていますが)で、所得代替率は50%程度になると言われています。
これは現役世代に対しての年金収入の割合を示すもので、2014年時点では62%程度です。つまり、現在の老後世代と比べて30年後の世代はそれだけ、現状よりも厳しくなるわけです。
年金の見込み額が分かったらあとは、老後までに別途どの程度の老後資金をどのようにして蓄えておかなければならないかを考えます。
定年までに期間がまだまだ残っている場合は、あなた自身の生き方にあったリタイア後のライフスタイルを実現するための資金計画を立てて、実際に運用していきましょう。
運用方法としては株式投資や投資信託といった投資商品での運用から、個人年金といった形で確実に運用していくという方法もあります。基本的に運用期間を長く取れるのでリスク商品での運用を前向きに検討すべきだと思います。
完全に老後資金として積立をしていくというのであれば、確定拠出年金(個人型)なども検討の一つになるかと思います。税控除を受けながら有利に積立投資が可能です。
(ただし、加入できるかどうかについては年金への加入状況などによって異なります)
一方でまもなく定年を迎えるような場合は、すでにある資産に加えて予定される年金等を前提に将来の資金計画を立てていきます。
場合によっては、リタイアの時期を延長して働くという選択が必要になるかもしれません。
ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。
・所得代替率とは
公的年金の給付水準を示す割合。モデル世帯として夫婦二人の年金月額が現役世代の平均年収(手取り年収)の何%あるのかを示す指標
・個人年金保険の特徴
個人年金保険(こじんねんきんほけん)とは、国が運営している国民年金や厚生年金・厚生年金基金とは異なり、個人が自分の意思で加入する年金で、生命保険の一種です。
・年金対策.com 年金で老後に備える対策を
公的年金から個人年金(私的年金)まで年金を分かりやすく解説します。