「人生設計」をしっかり立てた場合でも、人生その通りになるわけではありません。人為的なことについては、こちら側でもある程度コントロールすることはできますが、例えば病気や怪我、死亡といったリスクについて、そのリスクを完全にコントロールすることはできません。そのため、私たちは常に「リスクに備えておく」ということが必要になります。
そのリスクに備える代表的な方法が「保険」です。
保険というものはそもそも、一人では負うことができない多くのリスクを広く多くの人が少しずつ負担(保険料)することで万が一そのようなリスクが起きたときに保険金という形でリスクをカバーする商品です。
交通事故(自動車保険)、火事(火災保険)、大きな病気・怪我(医療保険)、死亡(生命保険)など色々な形があります。
このような保険は大きなリスクに備える上では必須の商品です。
一方で保険は期待値で考えると確実にマイナスとなる金融商品です。
保険料は実際のリスクにそなえる「純保険料」という部分と、「付加保険料」という部分に分けられます。
この純保険料という部分は実際の様々なリスクに応じた費用で、付加保険料は保険会社の運営費用などに相当します。
付加保険料というものが存在する以上、保険加入者が全員が支払った保険料と受け取った保険金とでは支払う保険料の方が大きくなります。
別に保険をかけなくても万が一に備えることができていればわざわざ保険に加入する必要はありません。例えば、死亡保険については必要であっても、病気や怪我などに対するリスクについては貯蓄などでカバーすると言うことも可能です。
保険でカバーする必要がないのであれば保険への加入も特に必要性は感じていません。保険はあくまでも「リスク」に対してのカバー商品であるというスタンスを外すべきではないと考えています。
たとえば、1000万円の余裕資金があるのに100万円までの怪我の保険に入る必要はありません。なぜなら1000万円の現預金で十分にその保険における怪我のリスクには備えができているからです。
基本的に保険というのは、期待値では損をする金融商品です。そのため、備えなくてもいいリスクに備えるのは、無駄な出費となります。
具体的な見直しについては「生命保険見直しガイド」などの情報をご参照ください。
まず、どんなことがリスクなのかというのは、人それぞれで異なります。
たとえば、独身の方にとってのリスクというのは、自分が怪我をして働けなくなるといった自分自身に対するリスクが中心となるかと思います。そのため、必要な保険というのはごくごくわずかで済みます。
しかし、 一方で家族を養うようになると、今度は万が一の時に家族を守るだけのお金を残しておく必要が出てきます。これらについてはやはり死亡保険(生命保険)でカバーするのが一般的になろうかと思います。