(マルチ)コーラブル預金と仕組預金

預金の満期を銀行側が決定する権利を持つ預金です。預金者は途中解約できません。最大満期が定められており、銀行側はその最大満期の範囲内において、ある特定の期日に途中満期を宣言することができる権利を持っています。満期を預金者が決めることができない代わりに、通常の普通預金、定期預金よりも高い利息を受け取ることができます。

(マルチ)コーラブル預金の特徴・メリット・デメリット

そもそもコーラブルとはデリバティブ用語の一つで「期限前償還できる」という意味があります。つまり、期限前償還(繰り上げ償還)が可能な預金という意味になります。
「何を言っているんだ?銀行預金は定期預金でも中途解約ができる(コーラブル)じゃないか?」という意見もあるかと思います。

ここでのコーラブルなのは「銀行側」がコーラブルだという意味です。
つまり、定期預金が満期を迎える前に銀行側が期限前償還をすることができる定期預金という意味になります。

ちなみに、コールできるのが1回だけならコーラブル預金、複数回可能であればマルチコーラブル預金と呼ばれます。
また、銀行側はコーラブルなのですが、預金者側は逆に中途解約できないようになっているのも特徴です。仮に中途解約ができる場合でも多くの場合は元本割れをしてしまうようになっています。

ちなみに、このタイプの預金は仕組債と呼ばれる債券にもあります。こちらについては「コーラブル債」で解説されているのでそちらを参考にしてみてください。

(マルチ)コーラブル預金のメリット

メリットとしては、通常の定期預金よりも金利が高いということです。同時期に設定される同満期の定期預金と比較した場合にはかなり金利が上乗せされていると思います。

(マルチ)コーラブル預金のデメリット・リスク

一方でデメリットは満期までこちら側からは解約を申し出ることができないというリスクがあります。金利自体は高いのですが、中途解約できないので、例えば10年といった長期のマルチコーラブル預金の場合には、それだけ長期預けて置ける資金であることが重要になってきます。

(マルチ)コーラブル預金を扱っている銀行

SBI新生銀行

SBI新生銀行では、パワーステップアップ預金というサービス名称で、マルチコーラブル預金(仕組預金)を提供しています。
当初3年間は、SBI新生銀行の通常の円定期預金(3年もの)より高い金利が得られます。それ以降(3年後以降1年毎)はSBI新生銀行の判断で期間が最長10年まで延長されることがあります。ただし、延長されるたびに金利はアップします。
詳しい商品性は「SBI新生銀行パワーステップアップ預金解説」などでも紹介されています。
>>SBI新生銀行の詳細情報

楽天銀行

楽天銀行のステップアップ預金は通常の定期預金よりも金利が高く、最長8年間お預け入れいただくことができる定期預金です。当初3年間の預け入れは確定していますが、その後は1年ごとに楽天銀行の判断により満期日が繰り上がる特約が付いています。また繰り上がりのたびに金利がアップするようになっています(最大5回)
>>楽天銀行の詳細情報

 

 

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「仕組預金」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

コーラブル・ボンド
コーラブル債ともよばれる債券の一種。事前設定された償還価格と償還期日により繰上げ償還を請求する権利を保有者に対して与える債券

仕組預金 (預金の種類
預金の種類や特徴を紹介しています。

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