株価収益率(Price Earning Ratio)です。ピーイーアールと発音されます。その会社の利益と現在の株価の水準を相対的に示したもので、数字が高いほど利益に対して株価が割高、低いほど割安と判断される指標です。
PERは株式投資をする上でかなり頻繁に使われる言葉で、投資系のテレビ、ラジオ、雑誌、インターネットメディアなど様々な媒体でも取り上げられる株価指標の一つです。日本語では、株価収益率。
指標としては、1株あたりの利益に対して現在の株価は何倍の値段がついているのか?ということを意味します。たんなる財務分析ではなく、現在の株価と企業業績を一緒に見ているので株価が割高であるのか割安であるのかを探る場合に重要な指標とされています。
計算方法は以下の計算で可能です。
・PER=現在の株価÷EPS
・EPS(一株あたり利益)=会社の純利益÷発行済み株式総数
なお、計算結果は「倍」で表現されます。例えば、株価300円、EPSが15円の場合、300÷15=20(倍)となります。よってPERは20倍です。
ちなみにPERが1倍という水準はその会社が1年間に生み出す利益で株式の投資資金を回収することができるという意味になります。対してPERが100倍の場合は、「現在の利益で考えた場合」100年間の利益が必要ということになります。
なお、会社の利益がマイナスの場合、PERは利用できません。
株価収益率を利用するポイントは「同業他社間での比較に用いること」「現在のPERではなく将来のPERを考えること」の2点が大切です。
企業には様々な業種があります。また、業界の成熟度もあります。例えば、成長著しいベンチャー企業と市場が成熟しきっている企業とでは成長度が違います。また、電力会社のように利益が比較的安定してる業界もあれば、市況や景気によって利益が大きく左右される会社もあります。
このように、利益の背景が違えば、PERに対する評価も変わってきます。PERを利用する場合はあくまでも同業他社との間で比較をするようにしましょう。
株価というものは基本的に将来を見ています。過去のことは全て株価に織り込まれていると考えて差し支えありません。例えば以下の表は、ある成熟産業のA社と、新興企業のB社の株価とEPS(一株あたり利益)の推移を見たものです。
成熟企業A社 | 新興企業B社 | |
基準日時点の株価 | 2000円 | 300円 |
現在のEPS(PER) | 100円(20倍) | 1円(300倍) |
1年後のEPS(PER) | 110円(18.18倍) | 5円(60倍) |
2年後のEPS(PER) | 105円(19.04倍) | 30円(10倍) |
3年後のEPS(PER) | 100円(20倍) | 50円(6倍) |
基準日時点では、A社のPERが20倍、B社はPER300倍となっており、A社と比較してB社はかなり割高な株価水準にあるといえるでしょう。
しかし、B社は今伸び盛りの会社で将来の利益は大きく伸びることが想定されています。こうした場合は、将来のPER水準まで考えて投資をしましょう。仮にシミュレーションの通りだとすると、2年後にはPER評価をした場合はB社の方が割安となる計算になります。
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ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。
・株価収益率(PER)とは
PER(株価収益率)は株価の割安・割高を把握するための株価分析に広く用いられる指標です。計算方法は株価をEPS(一株あたり利益)で割ることで計算されます。
・EPSとは
EPS(一株あたり利益)とは、その会社が一年間に上げることができた利益(当期純利益)を発行している発行済株式総数で割ったものです。