資産ポートフォリオ全体のリスク管理

資産運用をする場合、個別の投資商品ごとのリスク管理も大切ですが、将来的な資産運用の目的にあわせて資産ポートフォリオ全体のリスク管理も大切です。資産運用の目的によってはリスクはリスクでなくなる場合もありますし、逆に小さな問題も、将来の人生設計によっては大きなリスクとなる場合もあるわけです。

資産ポートフォリオとは何か?

ポートフォリオ(Portfolio)とは、あなたが保有する金融資産の組み合わせ、比率などのことを指します。近年では、投資商品個別それぞれのリスク管理だけでなく、資産ポートフォリオ全体によるリスク分析(ポートフォリオ理論)などが登場して利用されています。

個人投資家であっても、このポートフォリオ全体を考えたリスク管理はとても大切です。

 

生活資金と投資資金

まずは、資産の内、日々の生活や万が一のための予備資金としての生活資金と投資資金を分類しましょう。生活資金は投資とは切り離して、下記の条件を満たすようにします。

  1. 生活資金は「流動性」を重視。すぐに現金化できるようにすること
  2. 生活資金の金額については生活費の6カ月~2年分くらいが目途

 

投資資金についてはどんなリスクを考えるのかでバランスが変わる

さて、肝心の投資資金についてはそのバランスをどのように組み合わせていくかがポートフォリオによるリスク管理の重要な部分です。下記は対応したいリスクに対する割合の例を考えてみました。

とにかく「堅実」に運用するためのポートフォリオ

堅実を重視する方はどうしても「預貯金」が重視される傾向があるかと思います。
しかしながら、預貯金においても「インフレリスク」や日本という国に万が一のことがあった場合のリスクなどは存在します。
インフレが進むと預貯金では「実質的な価値の目減り」が起こります。また、日本が財政破綻したら円ベースの預金などいくら元本保障されていても急激な円安で大きく目減りしてしまいます。

そのため、「堅実」を考える場合であっても上記のようなリスクには備えるべきでしょう。

たとえば、ポートフォリオの一部に外貨性の商品、たとえば外貨MMFを入れておくということは日本の財政破たんリスクに対して貢献します。また、インフレリスクに備えるためには預貯金を利用する場合であっても長期の定期預金は使わずに短期の定期を利用する。
また、長期の運用には市場金利に連動する個人向け国債10年満期を利用するなどが健全性を守りながらインフレなどのリスクに備えるポートフォリオとなります。

「資産ポートフォリオ全体のリスク管理」の用語解説・関連サイト

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

ポートフォリオ
ポートフォリオ(Portfolio)とは、投資家や機関投資家が保有する金融商品の組み合わせを指す。もともとは、「紙挟み」の意。

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