資産運用とレバレッジの力

資産運用や投資において「レバレッジ」というのは非常に重要な概念・ツールです。レバレッジは「てこの原理」という意味であり、株式投資なら信用取引、為替ならFX、不動産投資ならローンといったように、「保有する資産以上の取引をすること」を指します。魅力的である一方、リスクも伴う概念です。ぜひ理解しておきましょう。

レバレッジの仕組みとは

レバレッジとは、小さな資金で大きな資金を運用することです。代表的な投資としては「株式の信用取引」「オプション取引」「外国為替取引のFX取引」「不動産投資におけるアパートローン」などがあります。

簡単にレバレッジを説明すると資金を借りてきてその資金で投資をするということです。例えば、100万円の資金があり、それに誰かから借りてきた400万円を合わせて500万円を運用します。

仮に、10%の利益が生まれた場合、元本が100万円のままなら10万円の利益しかでませんが、500万円で運用した場合には50万円の利益になります。このように、多くの資金を借りて運用する事で、リターンをより大きくすることができるという仕組みです。

このように、投資元本以上の取引ができること、またはそれと同様の効果をもたらすことを「レバレッジ効果」と言います。

この方法は小さい元本で大きな運用成果を発揮するものとして広く利用されています。一方で、想定と逆方向に進んだ場合には多額の損失が発生するリスクもあります。

投資のリターン、リスク」のところでも説明しましたが、リターンが大きくなるということはリスクも大きくなっているわけです。

 

レバレッジ取引のメリット

レバレッジのメリットは先にも書いたように、預けている資産以上の取引ができるということ。これは資産を増やしていく上では重要な要素です。

レバレッジ取引を活用すれば、より多くの資産を運用できるため、得られるリターンも大きくなります。これが大きなメリットです。

 

レバレッジは「元本以上の損」をすることも。リスク管理の重要性

レバレッジの注意点として「元本以上の損失」が発生するリスクがあることを理解する必要があります。

先ほどの例だと、100万円の元本で500万円の投資をしたとします。投資後、価格が30%下落した場合の損失は500×0.3=150万円です。
投資元本は100万円に対して150万円の損失となるわけです。

このように、レバレッジ効果は「元本以上の損失を生むリスク」があるわけです。そのため、レバレッジを使った投資を行う際はリスク管理を極めて慎重に行う必要があります。
具体的なリスク管理の方法については「レバレッジのリスク管理」のページで詳しく説明しています。

また、レバレッジ取引のデメリットとして資金を借りるタイプのレバレッジ取引(信用取引など)の場合には、金利負担が生じてしまうというデメリットもあります。

 

投資商品別のレバレッジ取引の特徴

ここでは、レバレッジを活かした投資の種類についてそれぞれ簡単に説明していきます。リンク先はそれぞれの投資商品についてのレバレッジ効果を解説しているサイトです。

信用取引

株式のレバレッジ取引です。証券会社から資金を借りて投資ができます。最大3倍程度のレバレッジをかけることができます。お金を借りてくる形になるので金利負担が生じます。
>>信用取引とレバレッジ

オプション取引

将来ある商品を一定の価格で売買する権利を買う売買。原資産(対象商品)に対する数倍から数十倍の金額分の取引ができます。差金決済取引となり金利負担はありません。

先物取引

将来のある商品を一定の価格で売買する約束をする取引のこと。オプション取引とにていますが、権利のやり取りではないという点が異なります。
>>日経平均に小額の資金で投資できる(レバレッジ効果)

FX取引(外国為替証拠金取引)

為替の証拠金取引となります。為替の信用取引といわれますが、厳密には資金を借りていりわけではなく、仕組み自体はオプション取引に近いです。
>>FXとレバレッジ

不動産投資(アパートローン・住宅ローン)

ローンを組んで不動産を購入します。マイホームを買うのもおなじです。資金を銀行などの金融機関から借りてその資金で資産を購入しているためです。不動産投資の場合は当然金利負担があります。
>>不動産投資とレバレッジ

「レバレッジの力を活用」の用語解説

ここではこのページで使われた様々な用語について解説をします。リンク先は「金融経済用語辞典」の用語解説ページ、または関連情報が掲載されているサイトです。

レバレッジとは
レバレッジ(Leverage)とは、テコという意味で、レバレッジ取引は少ない資産で多くの取引をおこなうことを指す。通常は倍数で表現しレバレッジ4倍という場合は資産100万円で400万円分の投資をおこなっているという意味になる。

資産運用の基礎知識

金融・経済の基礎
資産運用の基礎では、資産運用とは何なのか?また、資産運用において押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。
資産運用の始め方
資産運用の始め方では、資産運用の心構えや投資の基本。投資に関するスタンスなどを紹介。
投資の基礎・考え方
投資の基礎・考え方では、今後始める「投資」について、投資の意義や投資全般について押さえておきたい項目などを解説。
資産運用で気をつけたいポイント
資産運用を始める上でぜひ理解しておきたい制度上・税務上の注意点などを紹介します。